攻略! デジボーグ
BORG
BORGラインアップ
(野鳥撮影向き当店取り扱い機種のみ)
笠井トレーディング製品はこちら。
BORG望遠レンズセット |
|||
![]() |
|||
BORG90FL |
|||
焦点距離 500mm | |||
口径 90mm | |||
一式2.0㎏ | |||
標準価格 216,000円 | |||
カワセミ奮戦記のページ | |||
サイト内のページ |
BORG72FL、BORG107FL、BORG55FLは取り扱いしておりません。 |
|||
BORG72FL |
BORG107FL |
BORG55FL |
|
焦点距離 400mm | 焦点距離 600mm | 焦点距離 250mm | |
口径 72mm | 口径 107mm | 口径 55mm |
BORG望遠レンズセット 生産終了品 |
||||||||
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
BORG89ED(生産終了) |
BORG77EDII(生産終了) |
BORG71FL(生産終了) |
BORG125SD(生産終了) |
BORG101EDII(生産終了) |
BORG67FL(生産終了) |
BORG50FL(生産終了) |
BORG60ED(生産終了) |
BORG45EDII(生産終了) |
焦点距離 600mm | 焦点距離 510mm | 焦点距離 400mm | 焦点距離 750mm | 焦点距離 640mm | 焦点距離 300mm | 焦点距離 400mm | 焦点距離 350mm | 焦点距離 325mm |
口径 89mm | 口径 77mm | 口径 71mm | 口径 125mm | 口径 101mm | 口径 67mm | 口径 50mm | 口径 60mm | 口径 45mm |
一式2.1㎏ | 一式1.9㎏(テレコン180g含) | 一式949g(テレコン180g含) | 一式5kg(テレコン180g含) | 一式3.3㎏(テレコン180g含) | 一式689g(テレコン無し) | 一式610(テレコン除く) | 一式1.0㎏(テレコン180g含) | 一式850g(テレコン180g含) |
税込 141,943円 | 税込 102,651円 | 税込 121,371円 | 税込 548,000円 | 税込 188,000円 | 税込 102,652円 | 税込 71,794円 (テレコン除く) |
税込 82,080円 | 税込 61,508円 |
カワセミ奮戦記89EDのページ | カワセミ奮戦記77EDIIのページ | カワセミ奮戦記71FLのページ | カワセミ奮戦記125SDのページ | カワセミ奮戦記101EDIIのページ | カワセミ奮戦記50FLのページ | カワセミ奮戦記60EDのページ | カワセミ奮戦記45EDIIのページ | |
サイト内BORG89EDのページ | サイト内BORG77EDのページ | サイト内BORG71FLのページ | サイト内BORG125SDのページ | サイト内BORG101EDIIのページ | サイト内BORG67FLのページ | サイト内BORG50FLのページ | サイト内BORG60EDのページ | サイト内BORG45EDIIのページ |

デジボーグ初めての方へ
ボーグ初めての方へのアウトラインの解説です。
但し、当店は野鳥撮影専門ですので以下に書いていますことは天体撮影は一切考慮していませんのでご注意ください。
デジボーグは対物レンズ、鏡筒、ヘリコイドなどのピントを合わす為のパーツ(マニュアルフォーカス)などを組み合わせて一眼レフカメラの望遠レンズとして使用するものです。
マウントもパーツとして独立していますのでこのマウントのみを交換すれば各社のカメラに取り付けできます。
ペンタックスの場合はF-AFアダプターで制限はありますがAFレンズとして使用が可能です。
ボーグは複雑という印象を持たれる方も多いようですがそれはまったくの誤解です。
ネットで良く凝った機材構成や改造がブログ等で紹介されていて引いてしまう人も多いと思いますが、それらは一部の機材マニアのものであってそれで良い写真が撮れるというものでもなく、一般的には皆さんシンプルな機材で使われています。
私もまったくシンプルな構成で撮影しています。
機材より撮り方が大事です。
機材で撮れるものなら皆撮れるはずです。
BORGは基本的には望遠レンズセットとお使いのカメラ用のマウントがあれば撮影できます。
ただ、本来は天体望遠鏡ですので野鳥には不向きなパーツもありますので以下に解説していきます。
BORGの焦点距離
現在デジボーグは焦点距離600mm~250mmまでのレンズが用意されています。
私はPENTAX istDs にトキナーの300mmのズームとケンコーの1.5倍テレコンで野鳥撮影を始めました。
もちろんこれでは焦点距離が足りませんのでBORG101ED(640mm)を購入したのが初めてのボーグです。
300mmに1.4×テレコン程度の焦点距離の短さでは撮影はぐんと簡単になるのですが、証拠写真程度のものが多くなってしまいます。(大型の鳥なら大丈夫と思いますが)
野鳥撮影では400mm以上は最低欲しいところです。
(APS-C+1.4×テレコン以上の接続を前提としてのレンズ本体の焦点距離のことです。)
400mm(35mm換算600mm)で写る大きさ。

400mm(35mm換算600mm)、距離約8m。(車中から撮影)
テレコンを接続していない35mm換算600mmでは、距離8mでも小鳥としては大きめのオオマシコでさえこの大きさにしか写りません。
(屋外で距離8mというとかなり近く感じる距離です。この距離で撮影できるチャンスは多くありません。)
現行の機種ではBORG90FL、BORG89ED、BORG77EDⅡ、BORG71FLが野鳥向きです。
特にBORG71FLはこの中で400mmと焦点距離は短いですが、そのため取り扱いもし易く、操作感もマニュアルレンズと同じ感覚で、手持でも使用できる手軽な機種です。
BORG89EDは全長が長いため取り回しはやや大変になります。
BORG90FLですと意外とコンパクトで車中からの半手持ちでも使えます。
BORG90FL、BORG89ED、BORG77EDⅡは三脚使用が原則です。
BORG90FLなどで手持ち撮影などは考えない方が良いです。(笑)
手持ちは71FLです。ただ、71FLでも基本的には三脚使用をお勧めします。
望遠撮影でのブレは手持ちで簡単に撮れるほど生易しいものではありません。
「焦点距離の話」
写真は「紀伊半島カワセミ奮戦記」にアップしている古い画像です。
BORG125SD(750mm)、BORG101ED(640mm)、BORG45EDⅡ(325mm)です。

この三本、口径と焦点距離はこれだけ違いますが、F値は殆ど同じです。
F値が同じとみてこの三本でその焦点距離に応じて鳥との距離をとって同じ大きさに写した場合、 最も解像写真を撮り易いのは焦点距離の短いBORG45EDⅡです。
F値が同じなら焦点距離が長い方が格段に難しくなります。
ただ、焦点距離の短いBORG45EDⅡは何が難しいかというと鳥に近づかなければならないという点です。
BORG101EDの半分の距離に近づかないと同じ大きさに撮れないわけですのでシャッターチャンスは少なくなります。
以前お客さんがクローズアップレンズで短縮するのとしないのでは難しさが全く違いますねと話されました。
その時私は倍の倍ぐらい難しいと思ってますと答えたことがあります。
BORG90FLのページにカワセミ画像を掲載させていただいています大分県のYさんも、BORG71FLの次にBORG90FLを購入いただいた時に「500mm(AFアダプターをつけての話ですが)のブレは凄まじいですね」と仰っておられました。
一方、焦点距離の違うレンズの歩留まりを単純に比較する方もおられます。
焦点距離の長さの違いをあまり重く考えておられないようです。
焦点距離が違えば撮影の難しさも全く違います。
望遠撮影で焦点距離が長いということは大変なことです。
仮に400mmF5.6口径71mmと 一段分長い560mmF5.6口径100mmのレンズがあるとします。
この場合同じF値で一段分長いので560mmF5.6の撮影は400mmF5.6より一段分難しくなります。
560mmで400mmF5.6と同じような歩留まりを得ようとすれば、もう一段明るいさらに口径の大きいレンズ(560mmF4口径140mm)が必要になります。
ましてや400mmF5.6を1.4倍テレコンで560mmにした場合は焦点距離が一段長くなる分歩留まりが悪くなる上に、F値も一段分暗くなり、シャッタースピードが遅くなりますので撮影は倍の倍難しくなります。
実際にはそれだけではなく、焦点距離が長くなると鳥を捉えることも難しくなりますので難易度はさらに上がります。
テレコン等で焦点距離を長くするということはそれだけ難易度は上がるということを十分意識して撮影することが大事だと思います。
焦点距離の長さのブレの凄さを十分感じられて対処されている方が、解像写真を撮られているのだと思います。
BORGの基本的な仕組み
ボーグは焦点距離がその機種の長さになります。
例えば焦点距離600mmのBORG89EDですとレンズから撮像面まで600mm(ドロチューブで調整した状態)になり、フードやテレコンを加えたものが全体の長さになります。
フードが10センチほど伸びますので、テレコン無しでも全体は700mmほどになります。
さらにそこからヘリコイド等で全長を伸ばすことで近くにピントが合っていきます。
全長を伸ばす大凡の目安は表1を参考にしてください。
焦点距離の長い機種ほど近くにピントを合わすために大きな伸縮が必要になります。
表1にありますように、BORG89EDでは全長を70mm伸ばせば、6.3メートルの距離にピントが合います。
表2がその全長を伸ばすための主なヘリコイド等の伸縮量です。
BORG89EDの場合ヘリコイドMでは約20メートル、BU-1で約13メートルにしかピントが合わせられず、それより近距離にはドロチューブも併用し全長を伸ばすことが必要になります。
しかし、伸縮量70mmのDXマイクロフォーカスではドロチューブを操作することなく6.3メートルまで合わすことが可能です。
BORG90FLでもヘリコイドMでは約13メートル、BU-1で9メートルほどにしかピントが合わせられませんが、DXマイクロフォーカスでは4.5メートルまでピントが合います。
ボーグは天体望遠鏡なので本来は近くにピントが合う必要がないので伸縮幅の小さいヘリコイドで問題ないのだと思います。
また、ヘリコイドでは構造的に長い伸縮は難しいのでしょう。
私が以前使っていたペンタックスの500mmF4.5も直進式のヘリコイドでしたが、最短は10メートルにしか合わせられませんでしたし、カメラの重みで回転も渋くなります。
各メーカー望遠レンズの最短撮影距離をみると、キャノンのEF600mm F4LEF500mm F4L 共 最短撮影距離4.5mです。
焦点距離が短めのペンタックスのD FA 150-450mmでは最短2メートルです。
そこまで近くまで撮れなくても良いですが、仮に7メートル先の鳥を撮る場合でもある程度余裕がないと使い難いので5メートルくらいまで撮れると無難です。
表1
伸縮量 | BORG101ED | BORG90FL | BORG89ED | BORG77EDⅡ | BORG71FL | BORG60ED | BORG45EDⅡ |
10mm | - | 25m | 37m | 28.5m | 16m | 14m | 11.8m |
20mm | 23.4m | 13.1m | 19.1m | 14.3m | 8.5m | 7.1m | 6.3m |
30mm | 16m | 9.0m | 13.2m | 9.8m | 6m | 4.9m | 4.4m |
40mm | 11.8m | 7.0m | 10.2m | 7.8m | (35mm 5.2m) | 3.7m | 3.5m |
50mm | 9.6m | 5.9m | 8.4m | 6.3m | - | - | |
60mm | 8m | 5.1m | 7.2m | 5.5m | - | - | |
70mm | 7.1m | 4.5m | 6.3m | 4.8m | - | - | |
80mm | 6.3m | - | 5.7m | 4.3m | - | - | |
90mm | 5.8m | - | 5.2m | 3.9m | - | - | |
100mm | - | - | 4.8m | 3.6m | - | - |
表2
品番 | 品 名 | 伸縮量 | 備考 |
7835 | ヘリコイドM | 19mm | BORG90FL、89ED、77EDⅡ望遠レンズセット、71FL金属鏡筒Sに付属しているヘリコイドです。 |
7860 | M57ヘリコイドLⅢ | 35mm | BORG71FL、67FL望遠レンズセットに付属しているヘリコイドです。 |
9857 | MMF-1 | 40mm | |
9868 | 高機能DXマイクロフォーカス接眼部 | 70mm | 旧LMF-1 |
9000 | 望遠レンズユニット BU-1 | 32mm |
伸縮量32mmのBU-1では表の30mmの9メートルほどにしかピントが合わず、それより近くはドロチューブも操作しないといけなくなります。
BORGの周辺像
天体望遠鏡は対物レンズのみではカメラレンズほど補正されていませんので中央より周辺に行くほどピントがずれます。
下の5枚の写真はペンタックスAPS-Cでの撮影です。フルサイズですと周辺のピントの合ってない部分の範囲がさらに大きくなります。
写真をご覧頂けば分かりますが、機種別では焦点距離の長い機種ほど周辺の悪さは目立ちません。焦点距離の短い機種ほど悪い部分の範囲が広く、目立ちます。
とは言ってもBORG 71FL直焦点でも野鳥が被写体の場合はまず周辺像は気にならないと思います。
また、F-AFアダプターを接続の場合は周辺部はカットされますのでさらに目立たなくなります。
(BORG67FLや45EDⅡなど焦点距離の短い機種ではAFアダプターを付けても多少感じるかと思います。)
ボーグ純正のテレコン、レデューサー、フラットナーは補正レンズですので周辺像は補正されます。
次の画像はBORG71FLに【7214】1.4倍テレコンバーターDGを接続して撮影したものです。下のBORG71FLの画像と比べて頂ければ両端までピントが合っているのが分かると思います。

また、AFボーグで短縮に使っているクローズアップレンズも、接続位置によりますがある程度周辺像補正の効果が出ます。
まあ、周辺像云々と言っても野鳥撮影では焦点距離の短めの71FLでも気になることは殆ど無いと思います。
ましてや以上はあくまでノートリでの話です。トリミングすることが多い場合は上記以前に何ら問題ないと思います。
BORG 89ED | BORG 77EDⅡ | BORG 90FL | BORG 71FL | BORG 67FL |
600mm | 510mm | 500mm | 400mm | 300mm |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
鏡筒、三脚台座
鏡筒にはBORG90FL、89ED、77EDⅡ用の80mm径のもの、
71FL、67FL他のミニボーグ用の60mm径ものがあります。
BU-1については次の「ヘリコイド等」に載せています。
AFボーグの場合、使用する鏡筒によりAFの効きにも影響します。
80φ鏡筒
80φ鏡筒は次のようなものがあります。
まずは基本の望遠レンズセットに使われている組み合わせです。![]() |
+ | ![]() |
+ | ![]() |
合計重量 674g |
三脚座は【77491】に付属しています。 |
【7803】 80φL205mm鏡筒 重量:242g |
【7790】 ドロチューブN 重量:192g |
【77491】 ドロチューブホルダー 重量:240g |
こちらはBORB 90FL オリジナルセットの組み合わせです。
![]() |
+ | ![]() |
+ | ![]() |
+ | ![]() |
合計重量 605g |
【7151】 80φL150mm鏡筒 重量:162g |
【7790】 ドロチューブN 重量:192g |
【7780】 ドロチューブホルダーDX 重量:172g |
【8992】 マルチアルカスイス台座N 重量:79g |
2016年9月発売のカーボン鏡筒です。
この部分は元々重量のある部分ではありませんので、全体的には大した軽量化にはなりません。三脚座が別途必要なためバンドを二個使ってプレートを使う場合などは逆に重くなる場合もあります。
![]() |
+ | ![]() |
合計重量 363g 三脚座は別売 |
![]() |
||
【7175】 80ΦL175mmカーボン鏡筒 重量:135g |
【7700】 カーボンドロチューブユニット 重量:228g |
【7085】 マルチバンド80Φ 重量:90g 1個または2個 |
80φ鏡筒のBORG90FL、89ED、77EDⅡ望遠レンズセットには【77491】ドロチューブホルダーがセットされています。
【77491】ドロチューブホルダーには写真のように三脚のネジ穴が開いていますのでそのまま取り付けできます。
この台座の良いところはブレに有利な点です。ただ残念ですが単品での販売は終了しています。
(残念ですが【77491】は既に単品での販売は終了し、セット品でのみの販売となっています。)
(当店BORG90FL、89EDにつきましても2016年7月をもちまして【77491】は完売しました。)2016.11.29現在
実は【77491】は単品完売が発表されて自分用の予備をキープしました。
【77491】の良いところは台座が低いのでブレに有利です。
もし仮に台座の高さが10センチある場合をイメージしてください。
誰でもブレ易いと考えると思います。
では何センチなら良いかというと低ければ低いほど良いわけです。
【77491】ドロチューブホルダーの販売終了後はそれに代わるものとして【7780】ドロチューブホルダーDXがあります。
三脚台座部分の【8992】マルチアルカスイス台座Nは別売です。
他に80φ用の鏡筒バンド【7085】マルチバンド80Φもあります。
60φ鏡筒
60φの基本の鏡筒は次の4種です。
長さの違う4種の延長筒を組み合わせて必要な長さにセットします。
現在60φ鏡筒の望遠レンズセットは三脚台座はすべて別売りです。(以前は45EDⅡなどのミニボーグ鏡筒に付属していました。)
野鳥撮影での現在のおすすめは【7061】鏡筒バンド60Φです。
BORG71FLなど60φ鏡筒の良いところは何と言っても手持や半手持ちの機動力のあるスタイルで野鳥に対応し、撮影できる点です。
その点で【7061】鏡筒バンド60Φなら、せっかくのミニボーグの機動力を損ないません。
三脚での撮影中でも、鳥の状況に応じてすぐに手持ち撮影に切り替えできます。
(こちらの【7061】鏡筒バンド60Φも生産終了が発表されていますので残念です。今のうちに!)販売終了しました。
基本的に三脚使用の撮影で、よりしっかりセットしたい場合には【7517】DZ-2や【601*】ミニボーグ鏡筒DX、または【7065】マルチバンド60Φもあります。
また、BORG71FLなら80φ鏡筒を使う方法もあります。
ご注意:【601*】ミニボーグ鏡筒DXではヘリコイドの位置が前か後に限られるため手持ち撮影でのヘリコイドの適切な位置の調整はできません。
ドロチューブ
80φ鏡筒のドロチューブは鏡筒の伸縮する部分でボーグの特徴の一つです。
ヘリコイドは伸縮幅が少ないため、ピント合わせにドロチューブの伸縮操作も必要になり、これかボーグの使い難い点でもあります。
60φ鏡筒用の【7205】ミニミニドロチューブはピント合わせに使うことはまずありません。鏡筒の長さの調節用です。
例えばBORG71FLの場合は【7861】M57ヘリコイドLⅢの伸縮幅35mmのうち7mmほど伸ばしたところが無限遠になり、実質28mmしかピント合わせに使えず、 その分最短合焦距離が遠くなります。これをミニミニドロチューブで鏡筒の長さを調整することでM57ヘリコイドLⅢの伸縮幅35mmを有効に使うことが出来るようになります。
ヘリコイド他合焦装置
BORGでピントを合わす為のパーツです。
ボーグはヘリコイド等で全長を伸ばすことでピントを合わせます。
また、焦点距離が長い機種ほど大きい伸縮幅が必要になります。
「マニュアルのピント合わせ」
マニュアルフォーカスのピントは合わすと言うより山を掴むものです。
これは光学ファィンダーであろうが、EVFであろうが同じです。
ピントのピークはそれを行き過ぎて初めて先のところがピークであったことが分かります。
具体的には被写体をファインダー等で捉えてヘリコイド等を操作してまずピークを通り過ぎ、逆に動かしてまたピークを通り過ぎ、これを繰り返し振り幅を小さくして追い込み、最後は勘で一戻しします。
この時に動きが微動すぎたり、遊びがあるとピントの山が掴み難く、また、最後の一戻しが戻ってなく合ったつもりが後で写真を見ると合っていないということが起こりやすくなります。
よくEVFでピントが合せ易いとコメントしながらもピントの甘い写真を貼っているのを見かけますが、山を掴んでないからだと思います。
ヘリコイドのピッチとピントの山
マニュアルフォーカスで「ピントの山を掴む」うえでヘリコイドのピッチは大切です。
ピッチが細かい方が正確なピント合わせが出来るように思う方もおられるようですが、 ピントの山はある程度ピッチがあった方が掴みやすいです。
ピント合わせは上記のようにファインダーを覗きながらヘリコイドを回していくと段々と像が鮮明になって来、ピークを過ぎるとぼやけて来ます。
ピッチが細かすぎるとその切り替わり点(ピーク)が分かり難いのです。
ピッチが荒めでも動きの重いものもピッチが細いものと同様の動きになります。
また、ピッチの細かいものや重いヘリコイドで速く動かそうとすると機材を揺らしてファインダーが見辛くなります。
笠井トレーディングのマイクロフォーカスは粗動と微動のノブがあり、微動ノブはヘリコイドで言うとピッチが細かいことになるのですが、 回転が非常に軽く、指の腹で撫でるようにして速く動かすことが出来、また軽い力で動くのでファインダーを揺らさず、ピントの山が掴みやすいです。
ただ、エントリーモデルの屈折用マイクロフォーカス接眼部はV-Powerや高機能DXの2/3くらいの動きになるので速く動かしてもややピントの山は掴み難いです。
ピント合わせ以外でもヘリコイド動きの鈍いものは、どんどん動いていく小鳥にはぐるぐると手間取りますので結構ストレスを感じます。
インナーフォーカスのレンズでヘリコイドの動きの大きいものでマニュアルフォーカスされていた方は、
ピッチの大きい【7861】M57ヘリコイドLⅢでも動きが鈍く感じるかと思います。
ヘリコイド
ヘリコイドの構造や形状はご存知と思いますので触れません。
ヘリコイドの良い点は
- カメラレンズと同じ感覚の操作でピント合わせが出来ることです。
(但し、現在の一般の望遠レンズはインナーフォーカスとなっています。私が以前使用していたマニュアルレンズSMC PENTAX 500mmF4.5もカメラでヘリコイドが非常に渋くなり、最短合焦距離も10メートルと遠いのですが、このような直進式のヘリコイドの経験がなく、今までインナーフォーカスを使ってこられた方は戸惑われるかも知れません。)
ヘリコイドの悪い点は
- インナーフォーカスと違いフォーカスリングの回転が重く、機材の重量で回転が渋くなる。
- フォーカスリングの回転量に対してのピントの前後移動がインナーフォーカスのように大きくなく、グルグルと時間がかかり、鳥について行くのが手間取る。
- 伸縮量が小さく、最も伸縮量の大きい【7861】M57ヘリコイドLⅢでも35mmしかなく、長い焦点距離ではドロチューブと両方の操作が必要になり野鳥撮影のような素早いピント合わせに向かない。
などです。
(一応長所を挙げましたが、ヘリコイドの場合は別段長所というほどの事でも無く、短所が多いです。
これしかないので仕方なく使うという感じです。
焦点距離の長いレンズはヘリコイドでは使い難くさや、最短が遠いので、カメラレンズはインナーフォーカスが使われるようになったのでしょう。
71FLの場合、強みは何と言っても軽さと焦点距離から、手持ちでも使える機動力です。しかしMMF-1は手持ちでは使い難く、また重さも450グラムとヘリコイドLⅢの倍以上あるので、手持ち撮影ではヘリコイドしか選択肢が無いというのが実情です。
ヘリコイドの位置
BORG71FLの場合、ヘリコイドの位置は大切です。
手持ち撮影ではヘリコイドを前側につけると脇が開いてしまい安定しません。
逆にカメラに近くにするほど脇は締まって良いのですが、ヘリコイドより前側の重量でヘリコイドが渋くなります。
ご自身の体格やAF使用の有無なども勘案してベストの位置に接続するのが好ましいです。
【6015】ミニボーグ鏡筒DX-LD等ではヘリコイドの位置が前か後に限られるため手持ちでの適切な位置の調整はできません。
カメラの構え方の基本は「脇を締めて持つ」が基本です。特に左脇が大事です。
ネットで「カメラ 構え方」で検索すると沢山出てきます。
こちらなど。
「デジタル一眼レフのブレない構え方」
特に望遠レンズ手持ち撮影でブレずに撮影するというのは並大抵のことではありません。基本は忠実に。
手持ち撮影の場合はヘリコイドより前の鏡筒を人差し指等で支えて回転を軽くします。
しかし三脚撮影の場合はそのような操作は難しいので、三脚座よりカメラ側にヘリコイドを接続し、カメラを持ち上げ気味にして回転を軽くします。
(ブラインドに隠れて撮影する場合、ヘリコイドを前にするとブラインドの窓から手が見えてしまうので上記のような後方接続が無難です。
ヤマセミ撮影のテントが並ぶような所では他の方とのトラブルの原因にもなりかねません。)
クレイフォード式、ラック&ピニオン式合焦装置
同じように見える合焦装置ですが、 クレイフォード式とラック&ピニオン式があります。
それぞれの長所と短所があります。
写真(上)は笠井トレーディングのクレイフォード式合焦装置の三機種です。
左からV-PowerⅡ接眼部(最上位機種)、高機能DXマイクロフォーカス接眼部(旧LMF-1)、屈折用マイクロフォーカス接眼部(エントリーモデル)です。
クレイフォード式はギアではなくローラーシャフトをドローチューブに当てて摩擦で動かす方式で、
長所はそのために遊びがなく、また、軽い力で回転ができるので機材を揺らすことが少なくピント合わせがし易い点です。
短所はローラーシャフトの圧の調整具合によりますが、重いカメラをつけて上に向けた時、滑って空回りしてしまうことがあることです。
私も101EDで今のエントリーモデルの屈折用マイクロフォーカス接眼部の前の機種を使い始めた頃、
木の上の方に来た鳥を撮ろうといくらピントを合わせようと回しても合わない。
訳が分からず難儀したことがあります。(笑)
その後は滑ったことはないです。(今はそんな上を向けて撮ることもありませんが。(笑))
現在の高機能DXマイクロフォーカス接眼部やV-PowerⅡ接眼部は滑り止めにダイヤモンドパウダーコーティングがされています。
ただ、ローラーの圧が緩んでいて現場でを調整したいこともありますので、六角レンチは携行した方が良いです。
ラック&ピニオン式はギアの噛み合わせで動きますのでクレイフォード式と違って滑ることはありません。
一般的に言われるラック&ピニオン式の短所はバックラッシュ(遊び)があることです。
一方向に動かす場合には問題ないのですが、ピント合わせの場合はピントのピークを行ったり来たりしてピントを追い込みます。
そして最後は勘で一戻しするのですが、この反転する時に遊びがあるとピントが合わせ難くなります。
最後に戻したつもりが戻っていない(ピントが合ったつもりが合っていない)ということが起こり易くなります。
遊び分を感じてピント操作することが必要です。
笠井マイクロフォーカス三機種の
動きの比較の動画
笠井トレーディングのマイクロフォーカス三機種の動き(回転のスムーズさ)の比較の動画を撮りました。
動き具合はローラーの圧の調整具合にもよりますが、普段使っている滑らない程度の調整です。
V-PowerⅡ接眼部はグルっと回した勢いでかなり動いて行きます。(上方向にでも)
もちろんハンドルを止めればピタリと止まります。
高機能DXマイクロフォーカスはV-PowerⅡより劣りますが、回した勢いで結構動きます。
(動画は旧LMF-1ですが、現行のDXマイクロフォーカスはV-PowerⅡと同じくローラーにダイヤモンドパウダーコーティングがされ滑りにくくなり、ローラー圧も緩めることができると思いますので動きも旧LMF-1より良いと思われます。)
動画はV-PowerⅡ接眼部(最上位機種)、高機能DXマイクロフォーカス接眼部(上位機種) 旧LMF-1、屈折用マイクロフォーカス接眼部(エントリーモデル)の順です。
動画「マイクロフォーカス三機種比較」
笠井トレーディングのクレイフォード式三機種の使用感や外観の違いはこちらのページに。
動画・ラックピニオン接眼部「動き」と「遊び」
望遠レンズユニット BU-1
BU-1は今までのパーツとして独立している80φ鏡筒、ヘリコイド、ドロチューブを一体化したものです。
80φ鏡筒と違う点はヘリコイドが丁度運台の上辺りで使え、80φ鏡筒のレンズが望遠レンズ同じような感覚で操作できるようになります。
また、運台の真上辺りでフォーカスリングの操作が出来るためか、操作により機材を揺らすことが少なくなるのか、ファインダーが見易く感じます。
ヘリコイド部はフォーカスリングを一回転回して32mm伸縮する構造です
3/4回転で35mm伸縮できるM57ヘリコイドLⅢや粗動の動きの大変速いLMF-1と比べると鳥の導入時や遠近の移動の対応にはグルグルと時間がかかり、鳥を逃し易くなってしまう点があります。
BORG77EDⅡでは上の表1のように30mm伸ばしたところで10メートル弱辺りにピントが合うことになりますのでドロチューブの操作も必要になります。
BU-1の悪い点は遊びがあることとドロチューブが使い難いことです。
遊びがあるとピントが合わせ難く、合わせたつもりが合っていないということが起こりやすくなります。
また、ヘリコイドが32mmしか伸縮しないので焦点距離が短めのBORG71FL以外ではドロチューブの併用が必要になるのですが、 BU-1のドロチューブには溝が切られていて80φ鏡筒のものとは違いチューブが回転しないようになっているためか、ドロチューブの出し入れが引っかかり易く伸縮はし難いです。
BU-1は少々重量があるので基本的には手持ちは厳しいです。また三脚座も六角レンチを使用しないと取り外し出来ませんので基本的に三脚用となります。
当初BU-1はヘリコイドの回転が非常に滑らかで対物レンズの軽い77EDⅡにはお勧めしでしたが(71FLはその機動力を考えるとお勧めしていませんでした)、ヘリコイドの回転に遊びがありピントが合わせ難い点がありました。 現在その点はある程度改善されてきたようですが、反面、ヘリコイドの回転の滑らかさが若干犠牲になったのか擦れる感触があるようになったのが残念です。
2015.02.06ブログ記事 「BU-1、お客さんの評判」BORG純正 絞り
鏡筒に接続できる絞りパーツです。
60φ鏡筒用の【7057】絞りM57と80φ鏡筒用の【7075】絞りM75があります。
絞りを少し絞るとコントラストがアップしてクッキリ感が出ます。
被写界深度が深くなりますので置きピンのトビモノ撮影や鳥が二羽並んだ場合などに欲しいアイテムです。
近距離からのアップの撮影で被写界深度が浅すぎる場合などにも有効です。(但し以下の点にご注意ください)
解像力について、
レンズの解像力は口径で決まります。
絞るということは口径を小さくすることですので解像力は落ちます。
等倍レベルでキッチリ写せば羽毛一本一本の解像はハッキリ分かるほど低下します。
BORG純正 補正レンズ
テレコンバーター
ボーグからは専用のテレコンバーター、 7214 1.4倍テレコンバーターDG 30,651円 と 7215 1.4倍テレコンバーターGR 40,937円が発売されています。
この専用のテレコンは単に倍率を上げるだけではなく、周辺像の流れを補正する機能も持っています。
写真のように焦点距離の目盛りが記されていますので使用機種の焦点距離に合わせることで最適な効果が得られます。
以上の理由からマイクロフォーサーズ等でバックフォーカスを合わせる為には 7921 M49.8延長筒S 7922 M49.8延長筒M が必要です。
焦点距離の目盛の設定によりバックフォーカスが変わりますのでそれにより倍率も多少変わります。
レデューサー
レデューサーは一般のレンズでは馴染みがないですが、テレコンとは逆に焦点距離を短縮するものです。
短くなる分明るくなります。
周辺像も補正されます。
2015.12.15ブログ記事 「レデューサー0.72×DGQとCanon 250D比較のお客さんからの問い合わせ」フラットナー
フラットナーは周辺像を補正するレンズですが、若干倍率があり焦点距離は少し長くなります。
マウント関連
マウントホルダーM
カメラマウントを接続するには57mmネジ径のパーツにまずマウントホルダーMを接続します。
マウントホルダーM内側に52mmのフィルターネジが切られています。
M49.8延長筒
ミラーレスのカメラを接続する場合はフランジバックの短さを補うためにマウントホルダーMとマウントの間に接続します。
(ニコンFT-1など使用する場合を除きます)
また、クローズアップレンズで焦点距離を短縮する場合に短縮率の調整にも使います。
カメラマウント
マウントホルダーMやM49.8延長筒の後に各メーカー用のカメラマウントを接続します。
各メーカー用のカメラマウントの厚み(光路長)と各メーカーのフランジバックを合計すると約50mmになっているようですが、フォーサーズやマイクロフォーサーズなどミラーレスについてはそれより短いものになりますのでM49.8延長筒で調整します。
その他
バッグ
これは以前当店で取り扱いしたスリックの三脚ケースです。
この製品は生産終了しましたので取り扱いを終了しました。
私は現在このケースの大小三種類の大きさのものを使っています。
ボーグを使い始めてスポーツ用品のバックなどに適当なものがないか色々探しましたが、結局カメラ関連の三脚ケースに行きつきました。
テレコンやAFアダプター、照準器、などもサイドのポケットに入りますので重宝しています。
もう、かなり長く使っていますが丈夫です。
同じようなものが色々発売されていると思います。
パーツはずし
ボーグのパーツは使っているうちに締めてしまって外れなくなることがよくあります。
デジスコを使っていた頃や、AFボーグの初期にはフィルターのレンズを外したリングを長さの調整に使いました。
当時このフィルターもよく噛んでしまい、厚みも薄いため外し難く、これらを外すために行きついたのがこのゴム板です。
このゴム板は当店で一台目をお買い上げの際にお付けしています。
市販の10×10センチは嵩張るため、80φにも使える範囲で小さめにカットしてもらっています。
二台目以降はお付けしていませんが(別途お得意様サービスあり)、ご希望の場合は二台目以降でも差し上げます。
私は今までこの方法ではずせなかったパーツは一つもありません。

BORG 90FL
「紀伊半島カワセミ奮戦記」 ボーグ(BORG) で カワセミ撮影 のページはこちら
2015.3月時点でのBORG90FLを使用しての感想です。
私が使用しているのは80φ鏡筒+LMF-1です。
90FLはもちろん三脚使用です。
ボーグは全長を伸縮させてピントを合わせますが、焦点距離が長いほど大きい伸縮が必要になります。
天体は遠い被写体なので大きい伸縮は必要ないですが、動きの速い野鳥ではこの点が重要です。
この伸縮はヘリコイドやLMF-1、ドロチューブを使うのですが、LMF-1はBU-1のヘリコイド(32mm)やヘリコイドM(19mm)と比べ75mmもあるのでドロチューブを操作することなくピント合わせができます。
89EDですとLMF-1の伸縮75mmでも6メートルぐらいまでしかピントが合わずドロチューブの操作も必要になることがありますが、90FLではLMF-1のみで十分鳥に対応できます。
また、LMF-1は粗動の動きがノブの回転に対して大きいので鳥を導入する時や鳥の移動に対して速いピントの対応ができます。
ヘリコイドのようにぐるぐる時間がかかりません。
画像は直近の連続した二回の撮影で撮ったものです。このように鳥が近いところに来ることも結構あるものです。
近ければ近いほど少しの遠近で大きな伸縮が必要になりますので伸縮の緩いパーツでは対応し難いです。
その点90FLとLMF-1は快適な組み合わせです。
ちなみに私は初めてのボーグ、101EDを購入して程なくこちらのページに載せていますカサイの屈折用マイクロフォーカス接眼部を購入しました。
解像力の比較に関しては私はこちらのように考えています。
ブログ2014年12月11日記事
BORG90FLは600mmのと比べ扱い易さはかなり扱い易いです。
焦点距離は長くなるほど撮影は難しくなります。
逆に焦点距離が短いほど簡単になりますが鳥に近づかないと証拠写真程度のものが多くなります。
その点も焦点距離500mmのBORG90FLは焦点距離と取り扱いのバランスの取れた機種です。
BORG90FLに限りませんがAFは使用する鏡筒により効きが違ってきます。
ヤマセミを撮影に行った時にBORG 71FL、89ED、90FLを持って行ったのですが、90FL+BU-1をセットして止まり木で試し撮りをしてみると71FLで迷わない止まり木が90FLでは迷ってしまいます。
同じF5.6でも実際のレンズの明るさが微妙に違うのかと思いましたが帰宅して確認してみるとBU-1では迷うところが80φ鏡筒では迷いません。
十分な明るさがある場合は感じないと思いますが、明るさが足りない条件ではBU-1では迷い易くなってしまいます。
BORG 89ED
「紀伊半島カワセミ奮戦記」 ボーグ(BORG) で カワセミ撮影 のページはこちら
ボーグ89EDは2013年1月に発売された新製品です。
当店では午前零時の予約の受付開始と同時にどんどん予約注文が入り、午前中にはメーカー初回分完売となった商品です。特にBORG 89ED+BU-1セットのご注文が多かったです。
89EDの魅力はなんと言っても600mmという焦点距離です。APS-C(1.5倍)で900mmとなりますのでテレコン無しでも実用の範囲です。 他機種にテレコンをつけてF8~F9で使うのと比べ対応の範囲が広いです。
ラインナップは80φ鏡筒セットとBU-1セットの二種がありますが、どちらも基本的に三脚の使用が必要です。
私は80φ鏡筒にも慣れているのでBU-1より80φ鏡筒+ヘリコイドLの方が使い易いですが、今まで80φ鏡筒を使っていない方はBU-1セットの方が使い易いと思います。
ボーグ77EDIIとの比較ですが、BORG77EDIIはBU-1が発売されて使い易くなりました。
ただ、BORG 89EDもBU-1セットが使い易いですが、BORG 89EDはBORG77EDIIと比べほぼ同じF値で焦点距離が長く、大きく写る分撮影は難しくなります。 また、焦点距離の長い方がこのページの表1のようにドロチューブやヘリコイドでの伸縮が大きく必要になり、鳥の動きに合わせた操作が多く必要になります。
初めてボーグを使われる方がBORG77EDII、BORG 89EDのどちらかと迷われるなら今まで大砲レンズを使っておられた方は別として77EDIIから始められる方が取り組み易いかも知れません。
BORG71FLともう1本というならBORG77EDIIより断然BORG89EDをオススメします。
(BORG 90FLが発売された現在ではBORG71FLとBORG90FLの二本立てがお勧めです。(2017.5.31追加))
発売から半年使用した現在、私はBORG89EDの場合はマルチフラットナー1.08×DG【7108】との組み合わせが気に入っています。
PENTAX K-5IIsの場合BORG89ED+テレコンではフォーカスエイドが利き難のですが、BORG89ED+マルチフラットナー1.08ではしっかりしており、換算焦点距離も約1000mmと使い易い焦点距離で、シャッタースピードもそこそこ出ます。
(2013.7.26作成)
野鳥撮影には向きません。
焦点距離の長いBORG89EDでは高機能DXマイクロフォーカス接眼部の73mmの伸縮でも約6.3メートルまでしかピントが合わないぐらいです。それほど大きな伸縮が必要なわけです。
オリジナルAセット(屈折用マイクロフォーカス接眼部)なら望遠レンズセットとの差額も少しです。悪いことは言いませんのでそちらをおすすめします。後でヒップサポート追加購入することもありません。
BORG 77EDⅡ
「紀伊半島カワセミ奮戦記」 ボーグ(BORG) で カワセミ撮影 のページはこちら
BORG77EDIIを初めて使ったのは最近ですが、最初に感じたことは非常に扱いやすく良く写るレンズだと感じました。 それに歩留まりが良く成功率が高いと思います。 BORG125SD、101EDと比べて同じようなF値の割りに焦点距離が短い分ブレの影響を受けにくいからだと思います。
BORG71FLが発売されて77EDIIと被ってしまいそうな感じですが、私はこの二機種はまったく別物だと思っています。 どちらか言うとBORG71FLとはBORG60EDが被ってしまいそうに思います。 逆にBORG77EDIIとBORG71FLの二台があれば殆どの撮影に対応できるのではないでしょうか。
BORG101ED一本とBORG77EDIIとBORG71FLの二本を選択するとしたらBORG77EDIIとBORG71FLの二台体制をお勧めした方が広範囲の撮影に対応できるのではないかと思います。
2016.02.07追加
BORG101が生産終了となりBORG90FL、BORG89EDが発売された現在では、やはりBORG71FLとBORG90FLの二台体制がお勧めです。
BORG 71FL
「紀伊半島カワセミ奮戦記」 ボーグ(BORG) で カワセミ撮影 のページはこちら
ボーグ初のフローライト使用です。
300mmでは短すぎる、500mmでは三脚使用が必要で手軽さに欠けてくる。400mmの71FLは軽く手持ち撮影も可能な、野鳥撮影に扱いやすいレンズです。
ボーグの使い難い点であるドロチューブを操作せずに、ヘリコイドのみで5メートル付近までピントが合いますのでカメラレンズと同じ感覚で操作できます。
解像力は勿論すばらしいですが、ボケ味もボーグの中で最も良いのではないかと思います。
ミニボーグ71FLは2010年7月に発売され、特に2011年2月にペンタックスK-5を購入してからは私のメインに使用している機種です。
まだ使用期間が短い割にはたくさん写しています。
(BORG90FLが発売されてからは71FLとの二台をメインに使っています。)
ペンタックスK-5、K-rですとAFアダプターを付けてのオートフォーカスの効きも良く、換算焦点距離1020mmになりますので、焦点距離的にも満足度は高いです。
当店にて71FL(殆どがオリジナルセットです)を購入されたお客様で感じることは、最初に71FLを購入された方はその後に他の機種を買われることが非常に少ないことです。
(この点もBORG90FLが発売されてからは71FLとの二台を購入される方も多いです。)
71FL扱いやすさと性能のバランスが良いのだと思います。
軽さは50FLにはかないませんが、400mmとしては軽いです。
77EDⅡですと手持ち用に他の機種の買い増しやドロチューブとヘリコイドの操作のし難さからヒップサポート、延長筒、ヘリコイドの交換と追加のパーツを求められるケースが多いですが、71FLを購入された方はパーツも追加されることが殆どありません。
手持ち撮影、三脚使用どちらもOKで取り回しのし易さから鳥への対応も速いです。
焦点距離、重さ、解像力、バランスの取れた使い易い機種です。
BORG 67FL
(生産終了)
BORG 60ED
(生産終了)
「紀伊半島カワセミ奮戦記」 ボーグ(BORG) で カワセミ撮影 のページはこちら
ボーグの中では明るい方のレンズです。
ミニボーグ60EDの使用回数は少ないのですが、コンパクトですので使いやすく、明るめなのでミニボーグ45EDⅡと比べるとピントが合わせ易いです。
ドロチューブの伸縮させずにヘリコイドだけで近距離までピント合わせができます。
ただ、ミニボーグ71FLが発売されてしまったので予算が許せばやはりミニボーグ71FLをお勧めしたいところですが、
BORG60EDからBORG71FLへのステップアップには対物レンズのみの購入で済みますし、よりコンパクトさを求めるにはミニボーグ60EDという選択でしょうか。
解像力は他の機種同様申し分ないです。下の作例上段を見ていただければ分かると思います。
BORG 50FL
(生産終了)
「紀伊半島カワセミ奮戦記」 ボーグ(BORG) で カワセミ撮影 のページはこちら
BORG50FLで最初に写したのがカモメです。2010年の年末にミニボーグ50FLの試作機とE-3を持って和歌山城へ行き、まずは城のお堀を覗いてみるとカモメが飛んでいます。とりあえずこの飛んでいるカモメを撮ってみると意外なほど簡単に撮れてしまいます。
この手の被写体には良さそうだなと感じました。
使用感はとにかく軽いです。このセットはミニボーグ45EDⅡのセットより軽くなります。
撮った写真の色は非常に綺麗と感じました。コントラストも発色も良いようです。
カモメを少し撮った後、城の中に入ってモズやスズメを撮りましたが71FLと比べるとピントの山の掴み難さは感じます。 素早くピントを合わせなければならない動き回る小鳥には苦戦しそうです。
BORG50FLはF8であるためペンタックス K-7以前の機種でAFアダプターを使うには焦点距離をかなり短縮しなければならず、無理があると思います。
ペンタックス K-5以降では解像感も良さそうで良好に使えそうです。
BORG 45EDⅡ
(生産終了)
「紀伊半島カワセミ奮戦記」 ボーグ(BORG) で カワセミ撮影 のページはこちら
BORG101ED、BORG125SDの次に購入したのがミニボーグ45EDⅡで、初めて写した時の感想は「カリカリに写るなあ」という感じでした。
小さい口径でもハッキリクッキリ写るのには驚きました。
もちろんドロチューブの伸縮させずにヘリコイドだけで近距離までピント合わせができます。
私がミニボーグ45EDⅡの購入を検討しておられる方にお伝えしたいことは、ボーグの場合このミニボーグ45EDⅡに限らず解像力は心配ないということです。
ただミニボーグ45EDⅡは焦点距離が短い分、鳥が小さく写ります。小さく写る、分羽毛の解像感は分かり難くなると思いますし、ファインダーを覗いた時に鳥が小さいとピントは合わせにくいです。また、多機種より若干F値が暗いこともあります。
しかし焦点距離に応じて被写体に近づけばその点は解消されます。
サギなどの大きな鳥は焦点距離が短くても良いのかと思いますし、下の写真のようにメジロなどはこちらから近づかずに待っていれば手が届くような所にも来てくれます。
目的の鳥、撮影スタイルによって選択すれば良いのかと思います。
45EDⅡ望遠レンズセットはとりあえずボーグを使ってみたい方には良いセットです。
BORG 125SD
(生産終了)
「紀伊半島カワセミ奮戦記」 ボーグ(BORG) で カワセミ撮影 のページはこちら
まず、やはり大きいです。ただ重さは見た目より案外軽く感じると思います。
焦点距離750mm、フォーサーズで換算1500mm、テレコンを付けて2100mmは威力があります。
この時は2100mm ISO400でも結構シャッタースピードが出てます。
ちょこまか動く小鳥が近くに来た時はさすがにピント合わせに手間取りますが、距離があっても大きく写る分、対象が広がるので撮れる写真は多くなると思います。
2100mmでこの手の小鳥を追って行けるのは凄いと思います。
それよりも何と言ってもカワセミのトマリモノにはダントツの威力を発揮すると思います。 大きく写るのでピントの山もつかみやすいです。 ただ、トビモノには不向です。私はカワセミを撮る時はブラインドに隠れていますが、125SDを振り回すとカワセミを怖がらせてしまうようです。
あと、それほど撮りに行ってはいないのですが、警戒心の強いヤマセミにはボーグ125SDは良いなあと感じました。被写体が大きいのでボーグ125SDならかなり距離があってもそこそこの大きさに写ります。 また距離を取るとトビモノのピント合う範囲が案外広いようです。
大砲レンズのような重量はありませんが、三脚もそれなりの重量が必要なのでそれらを持ち歩くのはキツイです。移動していく撮影には向きません。
BORG 101ED
(生産終了)
「紀伊半島カワセミ奮戦記」 ボーグ(BORG) で カワセミ撮影 のページはこちら
ボーグ101EDは私が最初に購入したBORGです。
当時、大砲は高価で手が出せないので400mmF5.6の単焦点レンズ三本、ペンタの古い500mmF4.5、デジスコと使用しましたがどれも満足な解像感は得られず、
ボーグ101EDの購入に至りました。
最初に写した時のそれまでとまったく違う解像感に感動し、その感動を伝えたいことと野鳥撮影に解像力を求める方々が遠回りしなくて済むようにとボーグの解像力が分かるよう等倍の写真を掲載した情報を発信するようになりました。
ボーグ101EDの解像力はすばらしいです。BORG101EDのおかげで撮影の状況がコロッと変わりました。どこが変わったかと言うと、それまでは腕が悪いのかレンズが悪いのか、ピントが合ってないのかブレなのか、デジスコに至ってはフィールドスコープ、デジカメ、接眼レンズ、またそれらの相性。
といったい何が悪いのかすべてに半信半疑でその対応も中途半端になりがちでした。
しかしレンズの解像力が信頼できるようになると後はピントとブレです。でもピントは鳥を大きく写した場合は案外合わせ易いものです。となれば後はブレ対策に集中すればよいというように専念できます。これは非常に大きいことだと思います。
また、ボーグを使うようになってテレコンへの印象が変わりました。テレコンを付けると解像感は落ちるものだと思っていましたがボーグではまったくそれを感じません。
BORG101EDの使用感ですが最初は長いと思いましたが慣れると扱いに困ることはありません。比較的軽いからだと思います。
BORG101EDは三脚使用が前提ですが小鳥も十分に対応できます。
私はカワセミ以外のメジロなどの小鳥を撮影する時はボーグ101EDでも確か六千円程度で買った軽い三脚を使っています。
ボーグ125SD、101ED、45EDⅡの三台体制の中で一番よく使いました。何処へ行くにも車に積んでいた感じです。旅行へ行くにもミニボーグ45EDⅡではなくBORG101EDを持って行きました。
ただ、そのおかげで光軸も二回ずれました。しかし、後継機のBORG101EDⅡは光軸もずれにくくなっているようです。
攻略!デジボーグのページです。
パーツが沢山あり、何を組み合わせたら良いか分かりにくいボーグですが、
このページでは野鳥撮影の観点からどの組み合わせが良いのか、また、どんなパーツが野鳥撮影に向いているのか等を見ていきたいと思います。